International SparkLink Allianceおよび関連する業界団体の皆様にご協賛頂き、AZAPA株式会社(以下「当社」)とPwCコンサルティング合同会社による共同主催のセミナー、「スマート社会の最先端技術の多様化と近距離無線通信関連製品戦略」が、先日2024年8月30日に東京国際フォーラムにて盛大に開催されました。このセミナーでは、未来のスマート社会に向けた発展的動向に焦点を当て、特にコネクテッドカーやスマート製造分野における新しい近距離無線通信技術の応用シナリオとその発展の可能性について議論が行われると共に、技術革新や競争環境下における製品戦略についても討論されました。
当日は当社代表取締役&CEOの近藤 康弘をはじめ、PwCコンサルティング合同会社、一般社団法人エッジプラットフォームコンソーシアム(EPFC)、ソフトバンク株式会社、株式会社サムズ オフィス、株式会社現代文化研究所、新潟大学などから代表者の方々にご登壇いただき、日本の企業や大学、研究機関のご関係者約160名がご参加されました。
また、本セミナーは、International SparkLink Allianceとして初の国際産業交流会合と位置付けられ、当日はInternational SparkLink Allianceの事務局長である曾国松(Zeng Guosong)氏、副理事長の万蕾(Wan Lei)博士、エコシステム推進顧問の梁欣剛(Liang Xingang)氏をはじめ、International SparkLink Allianceの各会員企業がご出席され、当日展示した数十種類のSparkLink製品(チップやモジュールを含む)が参加者の大きな関心を集め、これらの成果によりInternational SparkLink Allianceのグローバル化の推進が戦略策定から実行段階へと移行した記念すべき1日となりました。。
基調講演のオープニングは、当社代表取締役社長の近藤康弘が務め、本セミナーは技術の展示会ではなく、「未来における日本の選択肢」を考えるためのものとして、経済の踊り場に立って、経済のアーキテクトを再構築、あるいは、ディスラプション(破壊的変化)しなければならないという社会背景とサスティナブルな循環経済社会においては、環境サイクルに合わせた形で、関わる全てのアーキテクチャーを最適なサイクルに組み替える必要があること、およびこの経済活動の時間を維持、さらに短縮して、テクノロジーの力によって豊さへと変換することの必要性を強調しました。 続いて近藤は「Thinking for Future」というテーマで自身の基調講演を行いました。同講演では、日本におけるSociety 5.0の発展に焦点を当て、巨大な技術的・商業的可能性についての分析結果を公表、インテリジェントデバイスの発展に伴い、通信技術の近距離化が進むことで、製品形態やサービスの提供方法が変化していくと説明しました。今後、大量のセンサーがネットワークへと接続されるとともに、インテリジェントサービスが提供されると予測される中で、近距離通信技術はより一層不可欠な存在となり、それと同時に情報伝送の低遅延、安全性、信頼性が担保されることで、ユーザーにより高品質な体験が提供されると強調しました。また近藤は、SparkLinkの技術が将来の電子機器や電化製品の更なる自動化とインテリジェンス化を推進し、最適化するための重要な鍵になると考えていることを述べました。講演の最後に、近藤は、日本とは異なる国や地域および技術的視点にも注目し、進化を続けることが重要であり、技術を通じて新たな道を共に切り開いて参りましょうとのメッセージを訴求しました。
続いて一般社団法人エッジプラットフォームコンソーシアム(EPFC)理事の岡山義光氏とソフトバンク株式会社の安藤高任氏は、スマートファクトリーとセルラーネットワークの技術進化に伴う、スマートマニュファクチャリングと既存ネットワークの開発動向について、近距離、低遅延、インテリジェント通信技術が、より大規模で高精度なアプリケーションに対応するための信頼性と安全性の高い接続機能を提供することが必要であることを共有しました。 岡山氏は、工場データや自動ロボットの移動データの伝送がエッジデータ技術の進化の過程にあり、従来の現場処理手法からエッジコンピューティングをベースとしたIoT(Internet of Things)データの収集やネットワーク化された処理へと徐々に進化してきたと説明しました。 工場現場では、ケーブル敷設に必要となる複雑な配管経路の確保および導入工事を含む初期導入費用の肥大化がボトルネックとなるばかりではなく、一般的な無線技術では金属の反射と干渉の問題にさらされ、将来のフィールドワイヤレス、AGV制御、工場と人員の健康監視などに対応し得る技術の必要性を説きました。 講演の最後に、岡山氏は短距離通信技術の価値に対する期待を述べました。 同氏は、さまざまな企業が短距離通信技術を容易に利活用し、テストできるようになれば良いと指摘し、サブ1G周波数帯の利用を2.4GHzに加えてプロモーションのスペースとして考えられるかどうかを提起、 広域コミュニケーションを起点に、交通分野やなどにおいて、運転の安全性、生命・健康など知能・知覚・データの収集分析に向けて進化・発展すべ気であると述べました。
また、トヨタ自動車株式会社の元常務取締役で、先端技術開発カンパニーのアソシエイトである葛巻清吾氏は、インテリジェントネットワーク化された車両の開発動向と業界の問題点に焦点を当て、新しい通信技術を使用して自動車製造を強化し、ユーザーの運転とユーザーエクスペリエンスを最適化する道筋に関する分析結果を披露しました。 葛巻氏は、自動運転には車両が周囲の情報の変化をいち早く察知し、処理者が判断するためのデータを提供することが求められていると指摘、 高精度地図と道路施設との相互作用という視点では、環境情報がSIPフェーズI.とフェーズIIに分かれており、段階的に進化していることを述べた。また、高度道路交通の分野での規格設定の重要性、差分の排除、業界横断的な議論、および仮想空間でのデバイスの相互作用など、いずれも短距離通信技術がコミュニケーションに有利に働ける領域であると説明しました。
続く現代文化研究所の八杉理博士は、中国のスマートカーの研究内容を共有し、中国のスマートカーのモジュール性、スケーラビリティ、新しいデザインのアイデアをリストアップし、音声操作と機能的なボタン操作を説明しました。スマートカー内外のさまざまなディスプレイ、センサー、機能モジュールが、自動車の通信と製造のアップグレードを推進しており、エコシステムやアライアンスに参加する必要性に言及し、中国と日本のメーカーがオープンに協力し、ユーザーエクスペリエンスとリアルニーズの観点から、ソフトウェアとハードウェアを物理世界と仮想世界のコミュニケーションと統合できることを望んでいる事を総括として述べられました。
また、新潟大学の佐々木重信教授とPwCコンサルティング合同会社の落合勇太氏は、「日本の近距離通信の周波数および技術の現状と今後のトレンド」ならびに「スマート社会で想定されるデータ連携時のリスクとデータガバナンスの必要性」について、日本における周波数政策やデジタルコネクティビティの組織化・規制のあり方についての研究に関する意見を述べました。 佐々木教授の近距離通信のためのスペクトルリソースに関する研究は、日本における近距離無線通信技術の普及にとって大きな意義を持っていること、および 920MHzの開放周波数帯域では、Starlightは優れたパフォーマンスを発揮し、モノのインターネットまたは関連分野のリソースの使用について幅広い想定ユースケースが顕在化していると述べました。一方、落合氏は、世界各国の無線規制の違いが新たな無線技術の拡大に対する潜在的な課題であり、且つ製品の適応性や多様性の観点からもメーカーが考慮すべき課題でもあると指摘し、オープンな協力を通じてWin-Winの結果を達成すべきであるとの見解を披露しました。 また、データガバナンスのプロセスは可能な限り厳密ではなく、バランスをうまく取ることにより開発コストの高騰を抑制し、信頼に基づくデータガバナンスを構築するためのアプローチの有効性を強調しました。
続いてInternational SparkLink Allianceの事務局長である曾国松(Zeng Guosong)氏が、アライアンスを代表して「SparkLinkの技術紹介、現場と産業への影響力」に関する基調講演を行い、SparkLinkの技術利点、潜在的な高価値シナリオ、SparkLink Allianceの機能と位置付けについて、世界の産業発展の新たな潮流の中、日本のスマート社会が無線通信技術の大きなブレークスルーと飛躍を遂げ、無線通信の新時代に突入することで壮大な転換を達成することが急務であるというメッセージと共に詳細の説明を披露しました。また講演の中では、近距離無線通信技術の革新を推進するSparkLink技術アーキテクチャ、規格の進化、低遅延、高信頼性、正確な同期、高セキュリティに焦点を当てた各種機能が、日本のさまざまな産業問題を解決し、発展させるための手段であることをInternational SparkLink Allianceとそのメンバー企業が、日本企業と協力して技術革新と実装を共同で推進する用意があるというメッセージと共に述べました。
また、アライアンスメンバー企業の代表者であるEagle Drive Technology CEOの鄭 智宇(Zheng Zhiyu)氏、Hangzhou Yongxie Technology Co.,Ltd. CEOの馬長春(Ma Changchun)氏、およびHopeRun Technology Co., Ltd. VP副社長の劉洋(Liu Yang)氏は、SparkLinkの技術の最新の成果と市場計画を共有、その中ではSparkLinkワイヤレスパノラマサラウンドビュー、プロトコル機器の開発とテスト、モジュールモジュールの製造とソリューションの革新に焦点を当て、自動車分野のアプリケーション、テストと認証、および機能統合におけるSparkLink技術の重要な作業について説明しました。「すべてのものをつなぎ、すべての業界に力を与える」というコンセプト共にSparkLinkの技術の急速な推進と業界のあらゆるシーンでの実装は、出席したすべてのゲストの注目を集めました。続いてDEKRA Japan のCEOであるMiguel Delorme(デロルメ・ミゲル)氏が、ワイヤレステクノロジーのグローバル開発をテーマに講演。世界的に著名な試験機関であり、SparkLinkの試験技術をサポートする最初の国際的なメーカーとして、DEKRAは常にSparkLinkの技術の発展について注視しており、SparkLinkの市場浸透および拡大の見通し、特に国際的な見通しに自信を持っていると述べました。また同氏は、アライアンスとエコロジカルパートナーに技術の国際化の道を提案し、DEKRAは世界市場でのSparkLinkの技術テストと認証活動をサポートし、すべての関係者と協力して新技術の実装を加速することを望んでいると述べました。
続くパネルディスカッションは、「スマート社会を実現するための製品戦略の考え方」に焦点を当て弊社代表取締役社長の近藤がファシリテーターを務め、一般社団法人エッジプラットフォームコンソーシアム(EPFC)理事の岡山義光氏、International SparkLink Alliance事務局長の曾国松(Zeng Guosong)氏、ソフトバンク株式会社の安藤高任氏、PATEO Internet of Vehicles副社長の梁晨(Liang Chen)氏、そしてIVI企画統括および次世代センシングメソッド創出研究分科会主査の松岡康男氏をゲストとしてお迎えしました。
ディスカッションの中で、近藤は様々なトピックについてゲストに感想を尋ね、パネリストたちはSparkLink技術の急速な発展と産業化の早期段階での試みについて称賛の弁を述べました。特に、これらの技術は日本のスマート社会5.0において活用できる内容が多いと高く評価されたのが印象的でした。
更に、近藤は新しい近距離無線技術を日本に広める際の課題についても質問し、パネリストたちは規制、輸出入、投資、研究開発などの多角的な視点から意見交換を行いました。 最後に、SparkLinkの技術が日本で普及した際の潜在的な変化や影響についても議論が交わされ、多くのパネリストは、新技術の導入と実装が日本の産業に新たな要素と活力をもたらし、アプリケーションの多様化とアクセスの効率化を促進するだろうと述べました。また、技術の実装を促進するために、アライアンスの全メンバーと共に長期的な協力と注目を続けていく意欲を表明しました。
イベントの最後に、当社代表取締役社長の近藤が「International SparkLink Alliance日本組織委員会委員長」の任をInternational SparkLink Allianceは、拝命しました。近藤は「SparkLink Japan推進計画」として、組織体制、目標構造、リソース計画および技術志向などの様々な視点からの推進アイデアを紹介し、既存のアライアンスメンバーが積極的に日本を活性化し、協力を強化し、SparkLinkの技術の国際展開を共に推進すべく、日本国内のより多くの企業に対しAllianceへのご参加とご協力を呼びかけさえていただきました。