MOBILITY
移動の連続性を失わない世界の実現
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移動の連続性を失わない世界の実現
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移動の連続性を失わない世界の実現

人は、移動という探求行為を拡張させることで、社会システムを構築して きた。それは、社会システムの成長の為に未知な世界との接点を獲得する ことであって、新たな物資や価値の発見、新たな選択肢すら与えてくれた。 社会システムにおける移動という機能は、例えるなら、シナプスのように ニューロンと類される経済と経済を接続し、成長への増幅と抑制を行う伝 達路の働きを行うシステムだ。そして、モビリティは、このシナプスと同 様に人が新たな世界を獲得するための道具として、大きな発展を遂げてき た。人が経済圏を広げ、生活に必要な物資を届け、経済を循環させるのも、 モビリティの役割となった。しかし、モビリティが利用するエネルギーは、 環境を破壊する。製造においては、大量なエネルギーを必要とし、移動によっ て大気に発散される CO2 は、膨大である。たとえ、CO2 の回収技術が高 度になっても、あまり効率的とは言えない。モビリティにおけるカーボン ニュートラルの実現は、社会システムや経済と密着している分、最も困難 な対応をしなければならない。なぜなら、電気自動車 (BEV) や水素を利用 する燃料電池自動車 (FCV) などの環境車両の普及には、マス層との需給バ ランスが成立しないければならないからで、低価格なガソリンからの脱却 は、簡単なことではない。現時点でのハイブリッド技術を搭載した自動車は、 この空白を埋める最高な技術ではあるが、なかなか転換点とはなっていな い。エネルギーのインフラ環境の整備も環境車両が増えないと進まない、 といった状況で硬直化している。そんな中、世界的に中国がゲームチェン ジャーとして環境車両への大転換を推し進める。こうした状況を好転させ る手段は、エネルギーとモビリティの融合であり、社会システムの再構築 におけるシステムデザインとインテグレーション技術が必要で、モビリティ の未来、あるべき姿を映し出してくれる。

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Function Domain System

EV プラットフォーム構想

独自の次世代自動車の車載アーキテクチャーを構想、機能システム単位で統合したのは、今後は完成車両のみを流通させるだけでなく、機能システム単位での流通も起こると予測しています。その折には、劣化度合も違うので、それぞれで公正取引できなければなりません。ブロックチェーンは、車載ネットワークや認証、機能システムの劣化に関しても有効です。

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エンジニアリング

自動適合やテスト自動化

ソフトウェアの開発は、モデルベースを基盤に構想、デザインを行い、 実装やテストは、自動化できる仕組みを提供しています。制御パラ メータの自動適合やテスト自動化を実現します。これにより、開発 効率を大幅に削減し、より機能や性能における企画や要求設計、要件化への時間を増やします。

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エンジン制御/エンジニアリング

機能と性能のインテグレーション

我々の高い技術力の源泉は、自動車のエンジン制御の理論構築、OEMメーカーでの経験を基盤に、我々の高い技術力の源泉は、自動車のエンジン制御の理論構築、 OEM メーカーでの経験を基盤に、よりシステム全体の機能と性能 のインテグレーションを可能にします。燃費性能や始動性、ノック 低減、予測技術などの性能最適の改善や新提案、トレードオフ設計 を実現します。

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計測ソリューション

ハブ直結 X 4駆動

計測は、燃費などの基準準拠や適合レベルの調整ではなく、企画段階から性能・機能について、積極的に活用する。競争メーカーと多様な性能軸でプロポジション分析をする事で、どのようなスペック の性能を開発すべきかを目標とする事で、具体的な設計とリスクを把握することができる。今できることではなく、性能のアップデートという今後の OTA による技術との融合や部品レベルでのイノベーションが全体システムの最適化にどう影響するか、リダクションをどう実現するか、を検討すべきだと考えています。

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AZAPAの技術力 -part5-

新時代のエネルギー循環を担うクルマ「EVコンバージョン」を量産へ

ヨーロッパを中心に「脱炭素社会」の流れが加速している。CO2を排出するガソリンエンジンの時代は終わりを告げ、モーターを動力とするEV(Electric Vehicle=電気自動車)の時代がすぐそこまで迫ってきた。今回は、新しい時代を支えるAZAPAのクルマ「EVコンバージョン」を紹介しよう。

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#AZAPAの技術力-part6-

進化するモデルベーステクノロジーで、ハイブリッド車の開発をリードする

ヨーロッパを中心とする先進諸国が「脱ガソリン」へと舵を切る中、注目されているのがHV(ハイブリッド車)だ。まだまだ高級品であるEV(電気自動車)に対し、エンジンとモーターという2つの動力を組み合わせて走るHVは車両コストに優れ、多くの人が手に入れやすい。完全なEV社会へと移行するまでの間、ハイブリッド車が果たす役割は大きいだろう。AZAPAではモデルベーステクノロジーを使い、ハイブリッド車の開発を支援している。その一端をお見せしよう。

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#AZAPAの技術力-part8-

MBSE現場の最前線、ヤマハ発動機の二輪車両開発におけるAZAPAとの取り組み―2018年から長期間続けている、2輪車両開発案件の内容を中心に―

カーボンニュートラルのための電動化や「CASE」への対応など、変革の渦中にあるモビリティ業界。バイクやスクーター等の二輪もまた例外ではない。AZAPAでは2018年よりヤマハ発動機株式会社(以下、ヤマハ発動機)と協力関係を結び、同社の二輪車両開発プロセスをサポートしてきた。

AZAPAの強みであるMBSE(Model-Based Systems Engineering、モデルベースシステムズエンジニアリング)は、ヤマハ発動機の二輪車両開発でどのように活かされているのか。同社のパワートレインユニットで先行研究開発を手掛けるメンバーと、AZAPAのエンジニアが語った。

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#AZAPAの技術力

-part8-  MBSE現場の最前線、ヤマハ発動機の二輪車両開発におけるAZAPAとの取り組み
―2018年から長期間続けている、2輪車両開発案件の内容を中心に―
 



カーボンニュートラルのための電動化や「CASE」への対応など、変革の渦中にあるモビリティ業界。バイクやスクーター等の二輪もまた例外ではない。AZAPAでは2018年よりヤマハ発動機株式会社(以下、ヤマハ発動機)と協力関係を結び、同社の二輪車両開発プロセスをサポートしてきた。

AZAPAの強みであるMBSE(Model-Based Systems Engineering、モデルベースシステムズエンジニアリング)は、ヤマハ発動機の二輪車両開発でどのように活かされているのか。同社のパワートレインユニットで先行研究開発を手掛けるメンバーと、AZAPAのエンジニアが語った。


はじまりは研究部門からの紹介だった

ヤマハ発動機様とのプロジェクトが始まったきっかけについて教えて下さい。

ヤマハ発動機株式会社 パワートレインユニット パワートレイン先行企画開発統括部 増田貴裕氏(以下、増田氏):我々の部署ではエンジンやモーターなどのパワートレイン、動力源の開発を行っています。ここ7~8年、当社でもカーボンニュートラルに向けて環境技術を高める必要性が増している一方、二輪事業ならではの“Fun”と“Joy”という価値観も損なってはいけない、むしろこの変化を新たな価値の創出に繋げたいということで、新しい開発手法が求められるようになってきました。

AZAPAさんとの関係は、研究部門の担当者から紹介されたのがきっかけです。二輪の電動化に関するリソースやノウハウ不足を補うためにも、AZAPAに協力してもらって新たな成功事例を生み出そうというのが目的でした。

AZAPA株式会社 システムデザインカンパニー 兼岩潤平(以下、兼岩):ヤマハ発動機様との関係は約7年になります。AZAPAは当時、創業15年の会社でしたので、知名度もありませんでした。最初はモデルベース開発を普及させる活動として、ヤマハ発動機様とお付き合いさせていただいておりましたので、二輪の電動化に関する開発を一緒に進めさせていただけることが、とても嬉しかったことを覚えています。


まずはモデルベースでコンセプトを紐解くところから

―プロジェクトは、どのように進めていきましたか。

増田:MBSEで大切なのは、コンセプトと手段をうまく結びつけ、理由をもって手段を選択するということ。上位にあるのはコンセプトですから、そこと選択した手段との関係はしっかり整理しなくてはなりません。そのためには、考えた人間が自らシミュレーションを行い妥当性を確認しながら方向性を決めていく必要があるのですが、開発対象が新しく複雑であるほど、自分たちでは細かなところを間違えてしまう可能性があるので、AZAPAさんに検証していただけてありがたかったですね。我々のような開発部門では、システムの完成度が低い状態からスタートするからこそ、シミュレーションが大切になってくるわけですが、それでも潜在的なマイナートラブルは日常的に発生します。よって、見つかった課題を直ぐに対応して検証するスピード感が求められ、結果的に午前と午後で仕様が変わることもよくあるのですが、細かくドキュメントを残していただけるのも非常に助かっています。

兼岩:当初はまずヤマハ発動機様の二輪ならではの製品コンセプトを整理し、「機能と性能」の最適解となるシステムの組合せを、モデルを使って紐解くことから始めました。電動化になるとシステムの組み合わせが複雑になってくるので、まずはシミュレーションでライトに回し、機能や性能が実現できるかどうかをご提案できたのかなと。そこから、全体のアーキテクトを可視化していきました。ドキュメントに関しても、USDM/DFDという形式をとった制御の整理手法をご提案させていただきました。

増田氏:「ライトに回す」というのは、大きなポイントですね。当社の技術者は自分も含めてモノを作るのが大好きな人が多いので、良いものを作ろうとする半面、初めから完成度の高いものを作り込もうしてしまって「隣の仕様が決まっていないのに、ここの仕様を詰めても仕方ないね」というケースも多々あるのです。我々システム関係の人間はそこのバランスを理解し、さじ加減を調整する役割が求められると理解しているのですが、AZAPAさんにも同じポイントで共感していただけたので仕事がしやすかったですね。二輪特有の要求をこちらから出して相手に理解してもらい、四輪の進め方や成功事例をフィードバックして逆に我々が理解して次やることを決めるといった、一緒に勉強しながら進めるスタイルで「これなら間違いないだろう」と思えましたし、メンバーのモチベーションもキープできました。

シミュレーションで「理想に近いモノ作り」が可能に

―一緒に仕事を進める中で、AZAPAのMBSEのどんな点を評価されていますか?

ヤマハ発動機株式会社 パワートレインユニット パワートレイン先行企画開発統括部 平田康祐氏(以下、平田氏):まず実感したのは、MBSEにおけるシミュレーションの素晴らしさです。電動化したパワートレインでは、多くのコンポーネントを組み合わせて最適解を見つけていかなくてはならないシステムになっているのですが、シミュレーションを数多く回して、計算ベースでより欲しいものに近い解を出せる組み合わせを見つけておけば、モノを作った際に一発目から目標に近い成果物ができる。これは大きな恩恵を受けているなと思います。

兼岩:嬉しい限りです。ヤマハ発動機様と年月を重ねる中で、シミュレーションモデル自体も育ってきているといいますか、中身が固まってきていると感じます。実機との同定も行い、精度も上がってきている。現段階でいえば、実機と近いものがあるのかなと自負しています。先ほど述べたように、あまり細かくしすぎず「ライトに回す」環境がヤマハ発動機様と我々で共通の環境として用意されており、お互いに検証したデータを見ながら「こうだね」「ここがちょっとおかしいな」など、同じ環境のなかで制御の検討や疑問をぶつけたりできる。そういった意味で、本来あるべきモデルベース開発の仕方になっているんじゃないかなと思います。

実車での試験でも期待以上の成果

兼岩:実車での試験に関しては、弊社のVCUに制御モデルからオートコードで生成したソフトを実装し、試験評価でご活用いただきました。その上で実車データをフィードバックしながら、適合定数を直していきましたね。

増田:新機能で使うパラメータはライトに決めました。正確な数字を初めから得ようとすると、そのための作業が必要になってしまうので、我々が持っていない相場値をもって四輪を参考にやってくれたのは助かりました。AZAPAさんがパラメータ同定でパシッと合わせてくれるので、それをきっかけに「走行抵抗の見積が甘かった」とか「モーター効率の計測精度が悪かったね」というポイントに回帰できるので良かったですね。シミュレーションと実機とのコリレーションにもたびたび付き合ってもらい、AZAPAのスキームで上手く短縮してもらったと思います。

ヤマハ発動機株式会社 パワートレインユニット パワートレイン先行企画開発統括部 岸 章太郎氏(以下、岸氏):私は実験をメインに担当していますが、即時対応性や実装も含めて、AZAPAさんには的確な対応をキラーパスのようにもらっていると感じています。定常のみの性能見積計算だと、楽観的な結果が出るところもあるのですが、過渡を含めると想定外の動きが出てくる。それも加味して事前に「こういう対応を取った方がよい」と情報をいただけるので、実験側も動きやすく感じております。更に、お互いに実験結果などを共有しながら、期待以上の成果が得られたと思います。

増田氏:彼はレギュレーション分野での開発アプローチをAZAPAさんと一緒に進めているのですが、先行している四輪の基準値(といっても仮のものですが)について多くのアドバイスをいただいたということで、非常にありがたいですね。

プロジェクトと共に、モデルも育ってきた

平田氏:今ではプロジェクトと一緒にモデルも育ってきています。最初は非常にざっくりとしたモデルで、選定するコンポーネントの当たり付けをするような用途をメインにシミュレーションを使ったりしていましたが、現在ではモデルが育ち、細かいところの動きを検証するといった用途にも使えるように。「こういう点をちょっと変えていきたい」というような話をAZAPAさんとした際に、先回りしてその情報から周辺のところまで、モデルを回して得られた情報をいろいろとフィードバックしてくれて、モノを作る前に制御の部分まで含めて前倒しで作り込める環境ができつつある。これは非常に助かっています。

増田氏:実際そういう内容は、機械設計担当者や実験担当者などに「このような良い結果が出ているのですが、作ってみませんか?」「実験してみませんか?」と説得する材料にもなりますしね。我々はメカの設計や実験もやっているのですが、基本的に皆時間がないですから「これをやって意味があるのか」というような話になりがちなんです。机上では楽観的な数字が出ても、より複雑な動作をさせたシミュレーションになるとどうしても数字が目減りしてしまう。たとえばAからBに切り替えるのに、ざっくり計算すると0秒で切り替える想定の計算結果になってしまうけれども、その間には過渡状態があり、ロスとラグが発生するのは知っているので「過渡挙動まで加味しても効果の取り代がこんなにあるんですよ、だからやる価値ありますよね?」が言いやすいんですね。

兼岩:確かに数値化できるという点では、実際に想定していなかったところで何か影響が出たり、ある性能を上げようとしたときに別の性能が悪くなったりなどの背反も、シミュレーションだと一緒に見ることができます。両方良くなれば一番よいのですが、それが難しい状況で「ここをこう変えると、ある程度こちらの性能を維持したまま上げられますよ」というデータは、機械設計部門や製造部門への説得材料として使っていただけるのかなと思います。

AZAPAと一緒に開発してきたモデルが「資産」に

平田氏:我々は7~8年前から一貫して電動化に取り組んでいるのですが、当時からAZAPAさんと一緒に育てて使い続けてきたモデルが、まさに「資産」となっていることを実感しています。プロジェクトの方針は少しずつ変わったりもしていますが、モデル自体のベースはずっと同じ。やりたいことに合わせて機能を追加したり変更したり、パラメータを変えたりしながら適応させて、我々の検討の役に立っています。ある程度アーキテクチャを共通化してシステム構築しておけば、モデルも同じものベースに最小限の工数で開発できるので、資産として非常に有効な検討手段ですよね。そういう意味でも、AZAPAさんが我々の中に入ってもらうことでメンバーのモデルに対する理解も高まり、その活用方法も一緒に考えていくことができ、MBSEの良さを実感しています。

増田氏:これから開発のステージがさらに進んでいけば、人や技術などのリソースがもっと必要になります。その際もAZAPAさんと役割分担しながら協力し合える体制ができればいいなと思っていますし、全く別の案件に1から取り組む際も、今までの実績がありますから、お互いに良い意味で甘えながら「資産」を活用していけるでしょう。

兼岩:リソースについていえば、MBSEの環境があれば、基本的には誰でも同じシミュレーションができます。ある程度の知識を持ってくれば、今私たちがやっているのと同じシミュレーションや議論ができるという点では、このプロジェクト自体が資産になっていると感じます。

岸氏:共通の資産として、共通認識とモデルの共通性がありますね。知識が受け継がれていれば、本当に誰でも同じ議論ができる。人によってばらつきが発生しないという意味で、有益な手段だと思います。今後もぜひ一緒にプロジェクトを深めていきたいですね。

MBSEは二輪車両開発にとっても欠かせないツールになる

―これから二輪業界で、MBSEは普及していくと思われますか?

増田:そうですね。今量産している製品に関しては、すでに量産のためのプロセスが確立されていますが、今後は電動化や代替燃料などさまざまな要素が入ってきます。その場合は目的や基準に応じて柔軟に変えていかなければなりませんし、どこから変えていくべきかといったところを理論的に説得するためにもMBSEは必要でしょう。ものを作ることは評価が伴うので失敗の代償が大きくて、だからこそ、ものを作る前にたくさん失敗できるのは効率が良いことになるので、MBSEによるスピーディな開発は有効だと考えています。

岸氏:モデルベース開発は確かに新しい概念で、今までになかったものを既存のプロセスに入れるのは難しい側面もあります。ただシステム系は抽象概念が占める部分が多いので、それを実際にモデル化=数式として可視化すれば共通言語として使えるようになりますから、MBSEは非常に有効なツールです。あとは、現場での実験で素早く対応できるのは大いに助かっています。今後はコスト面や開発スピードの面からも、MBSEは二輪車両開発にとって欠かせないツールになるでしょう。

四輪と二輪の価値を理解し合い、見据える未来

―最後に、今後のAZAPAとの協力関係について自由なご意見をお聞かせください。

増田氏:今や、自動車や二輪業界は「1社で全部やり切る」時代ではなくなっています。変化が大きい時代だからこそ、1つの組織で全ての開発を担うことよりもスピードが大事。当社には、当社が培ってきた二輪の価値があります。そこはAZAPAさんには設計できないと思うので、今後も「こういうことをやりたい」という意思をアーキテクチャに反映する“背骨”のようなものは自分たちでしっかり定義しますが、それ以外の部分はAZAPAさんに一緒に考えてもらえるといいですね。

兼岩:電動化となるとシステムが複雑になるので、1つの組織や1人の人が全てを抱えてやっていける時代ではなくなっているのは確かです。さまざまな専門分野の人たちが集まって開発する際にも、MBSEのような開発環境があれば多様なメンバーが同じ環境で議論できますし、専門性のある方たちとのコミュニケーションツールにもなる。AZAPAは「Tier0.5」という立場を謳っていますが、間に立つという意味でも「言ったきり」にはならないように私自身も意識しています。

平田氏:AZAPAさんは四輪の知見が豊富で、多くの選択肢を提案してくれるので、それに対して我々は「二輪だったらこうした方がいい」とリアクションができます。考えるきっかけを与えてくださっているという点で、とても助かっています。

増田氏:困ったときに相談すると、2~3案も出してくれたりするのでありがたいですね。我々がまず構想を練り、その構想に対する懸念点をいくつか挙げてAZAPAさんに相談すると、AZAPAさんがモデルを回してくれて、過渡のところなども見てくださり、その上でプラスアルファして「こういうこともしてみてはどうですか?」「こういうポイントは気にする必要がありますか?」などと先回りして色んな提案をいただける。いつも非常に助かっているなと実感しています

兼岩:これからもお互いに、二輪と四輪の価値を理解し合いながら、さまざまな分野でご協力やお手伝いをさせていただければと思っています。

(PROFILE)


ヤマハ発動機株式会社 パワートレインユニット パワートレイン先行企画開発統括部
先行企画開発部 先行技術第2グループ グループリーダー 増田貴裕氏 プロジェクトリーダー
2004年中途入社 エンジン及び可変動弁の制御、アイドルストップ開発を経て、現在はパワートレインの電動化開発にてプロジェクトリーダーを担当


ヤマハ発動機株式会社 パワートレインユニット パワートレイン先行企画開発統括部
先行企画開発部 先行技術第2グループ 主務 平田康祐氏 制御システム設計チーフ
2009年入社 車体系アクチュエータ制御開発、アイドルストップ開発を経て、現在はパワートレインの電動化開発にて、システム設計、モータ制御を担当


ヤマハ発動機株式会社 パワートレインユニット パワートレイン先行企画開発統括部
先行企画開発部 先行技術第2グループ 主務 岸章太郎氏 制御実験チーフ
2015年中途入社 研究部門での駆動系制御開発を経て、現在はパワートレインの電動化開発にて、制御ソフト開発及び実験を担当


ヤマハ発動機株式会社 パワートレインユニット パワートレイン先行企画開発統括部
先行企画開発部 先行技術第2グループ 主事 池下義人氏 車両統合制御チーフ
2018年入社 パワートレインの電動化開発にて、車両統合制御システム、ビークルダイナミクスのモデルベース、電動化推進を担当


AZAPA株式会社 システムデザインカンパニー VTO(Vice Technology Officer)
兼岩潤平
大学卒業後、制御系エンジニアとして、自動車部品サプライヤーにて、エンジン、統合制御などのソフトウェア開発に従事。
2018年からAZAPAに参画し、モデルベースを活用したシステム制御開発の技術、プロセスを提供している。

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