利他的な感情は、どこから生まれてくるのだろう?、信頼や共感、愛情はどのように育てられるのか、人を利他的行動に駆り立てるものは、一体なんだろうか。人はコミュニケーションを獲得して以来、どの生物よりも利益を分け与えることで生存を果たしてきた。過去では利己的な行動による支配的淘汰もあったが、このように分断されたコミュニティであっても、高度な通信技術や情報科学によって、地理的な距離を縮め、人や文化の多様性を理解することができるようになったと言える。人の利他的な行動は、生存システムにおける利己的な遺伝子で説明される防衛機能であり、人と人の関係性を相互で思い合うことが、社会システムの安定と成長をもたらすものと解釈できる。そして、利他的な行動を制御するには、感情の可視化や定量化が必要であること、行動と感情、引き起こされる結果を予測しなければならない。今、環境変化や経済循環の悪化などの不確実な未来は、人の生存に関わる問題として警鐘を鳴らしている。このような状況で、我々は少なからず良い選択を行うことできるよう、より多くの選択肢を持てるように、利他的な行動へと導く技術が必要となるだろう。人の感情や行動こそが社会システムを形成する源である以上、デジタルテクノロジーの進化が、人と自然環境、他の生態系との関係性(複雑な相互作用)をシミュレーションし、新たなインサイトを我々に与えてくれる。もし、この瞬間、誰もが地球の疲弊をより具体的に理解できるとしたら、人工知能が新たな行動原理を確立し、利他的な行動へ誘導してくれるイノベーションを社会システムに実装する可能性だって、あるのではないだろうか。それこそ、我々が考えるコミュニケーション・テクノロジーである。
MaaSプラットフォーム
オンデマンドバス
シームレスな決済サービスと予約、地域アクティビティやイベントとのマッチングサービスなどのサービスプラットフォームを構築、人の感性や移動性、車両システムのコネクテッド、自動運転システムを構築、自動運転車両の管制管理システムとの連携により、多数の実証を行っています。今度は更に自動運転車両の開発にも着手してゆく予定です。
- 2021.12.01
- YASUHIRO KONDO